東名厚木病院

神奈川県がん診療連携指定病院

認定

来院される皆様へ

患者さんの安全のために

「これから医療を受けるみなさまに」

入院された患者さんが安心して入院生活が受けられるよう、職員一同安全な医療提供を目指しております。
その為には、患者さんにも知っていていただくと安心なことがあります。
安全な医療を受ける為に、気をつけて欲しい9項目のポイン卜があります。
患者さんとともに医療安全について考え、一緒に医療事故を防ぎたいと考えております。

1.名前を伝えましょう!確認しましょう!

入院されるとリストバンドを装着していただきます。リストバンドには患者さんのID、名前、年齢、性別が記載してあります。まずは、ご自身のリストバンドを確認しましょう。
入院されると、点滴や飲み薬の開始や検査が行われるなど、さまざまな処置が行われます。処置の前に、必ず、リストバンドを確認します。 その際に患者さんが協力されることで、さらに安全性が高まります。
ぜひ、声に出してご自身の名前を確認してください。


2.転倒・転落を予防しましょう!

慣れない環境は、様々な危険が潜んでいます。入院生活は、今までとは大きく違います。ベッドでの生活であり、集団生活です。また、治療のために食事が食べられなくなる、点滴が24時間行われる、検査があるなど今までの生活とは大きな違いがあります。
病気の為に熱や痛みがあり、体力が落ちることもあります。また、高齢の方は、入院がきっかけで認知症状がでる方もいます。今まではできていたことができなくなることもあります。今までとは、「ちがう」と言うことを認識して療養しましょう。ベッドの高さを低くする、床に物は置かないなど安全に注意していきます。入院されますと安静を余儀なくされることも多く、筋力も低下します。状態が安定しましたら、散歩をするなど筋力アップに努めましょう。また、スリッパ使用にてすべった、スリッパに引っ掛かった、などによる転倒ケースが報告されています。
入院中に履く靴は、普段履きなれた、かかとを包み込む、すベりにくい、サイズのあった靴を履き、転倒に注意していきましょう。


3.お薬の間違いを防ぎましょう!

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入院されますと、薬による治療が主になります。入院前に飲んでいた薬が中止になったり、変更になることもあります。
病棟には薬剤師がおりますので、わからないこと、疑問に思ったことは確認しましょう。また、入院中に薬を飲むことは、医師の指示が必要です。家で飲んでいた 薬は必ず確認をしてから服用しましょう。
薬を渡されたら、名前、服用方法、内容を確認しましょう。
「あれっ?」と思ったらまずは確認しましょう。


4.医師が回診に来たときは、自分の状態をしっかり伝えましょう!

医師は、毎日回診にきます。(日曜日、祝日は行わないこともあります)ご自身の身体の事、疑問に思ったこと、わからないことは、回診時に確認しましょう。
疑問に思ったことは、メモにとるなどしていると聞き忘れた!ということが少なくなります。
また、看護師は24時間おります。
わからないこと、疑問に思ったことは、すぐに確認しましょう。


5.医療従事者からの説明は充分に聞きましょう!

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入院されると、入院診療のため計画書を含めさまざまな説明があります。
また、検査・手術をされるときは、必ず医師からの説明があり同意書にサインしていただきます。
説明時には、メモをとるなどして説明を受けましょう。
わからないこと、質問したいことがあったら、遠慮せずにその場で聞きましょう。

確認しておきたいこと
  • 症状の原因と治療内容
  • 診断した内容(病名など)
  • 検査内容や治療の目的と予想される結果
  • 治療に伴う副作用と体の変化
  • 治療にかかるおおよその期間と費用
  • 日常生活で注意すること  など

6.これでいいのかな?と思ったら確認しましょう!

当院では、細心の注意を払って安全な医療の対策を進めておりますが、医療の事故を防ぐためには、患者さんやご家族の協力が必要です。
わからないことや、少しでも「変だな」と感じたときは、必ず質問しましょう。
また、危険なものを見つけたり、「ヒヤットした」、「ハットした」経験をしましたら、危険を防ぐために医師や看護師、薬剤師などの医療者にご連絡ください。当院の医療安全向上にご協力お願いします。
(各病棟、病院受付前にご意見箱がありますので、ご利用ください)


7.入院されたときから退院後のことを考えて準備しましょう!

当院は急性期病院のため、医師が「病状が安定した」と判断した時点で退院となります。
病状によっては、日常できていたことができなくなったり、病気を抱えながら生活に戻らなければならないことがあります。
病棟ごとに相談の担当者をもうけております。心配なこと、不安なことがありましたら、遠慮なく看護師など医療者へご相談ください。また、退院後の不安を相談出来る窓口として患者総合支援センターがあります。ご活用ください。
安心して退院が出来るように準備をしましょう。


8.かかりつけ医療機関を持ちましょう!

かかりつけの医療機関を決めておくと、過去の病歴や他科受診の有無などがすぐに確認できます。
病気のことだけでなく、薬や食べ物によるアレルギーの有無、生活習慣などの情報も記録されるので安心です。


9.医療機関を受診するときはマナーを守りましょう!

医療スタッフIMAGE

病院、医療機関は多くの方が利用されます。
皆さんが気持ちよく利用できるためにも一人ひとりがマナーを守ることが大切です。
施設内には決まりごと(受診時間、面会時間、携帯電話使用…など)があります。他の患者さんや職員に対して迷惑になる行為を行わないようにしてください。
また、見かけた方は、職員にお知らせください。

皆様が安心して療養できるようご協力をお願いいたします。

肺血栓塞栓症はいけっせんそくせんしょうの予防について

1. 肺血栓塞栓症とは…

別名「エコノミー症候群」とも呼ばれ、肺の血管に血栓(血のかたまり)が詰まり、突然、呼吸困難や胸痛、動悸(ドキドキする)などを起こす病気で、時に命に関わることもあります。

どうして
起こるの?
入院後、ベッド上で足を動かさないでいると、足の血の流れが悪くなり、血栓ができやすくなります。その血栓が何らかのきっかけで肺まで流れて起こります。

下記の方は、血栓ができやすいと言われています

  • 高齢者の方(60歳以上)
  • 女性
  • 長期臥床
  • 肥満(標準体重を大きく越えている方)
  • 外傷や骨折(ギブス固定)治療中
  • 人工関節手術
  • 下肢麻痺
  • 車椅子の長時間座位(下肢下垂)
  • 心臓の病気がある方
  • 静脈血栓の既往のある方
  • 頭の手術
  • 悪性腫瘍(がん)大手術
  • 脱水状態
  • 糖尿病
  • 炎症性血栓性素因
  • 経口避妊薬を服用している方
    など

  • めまい
    めまい
  • 胸痛
    胸痛
  • 息切れ
    息切れ

このような症状を認めたら看護師に伝えてください


2. 当院での対策

深部静脈血栓症予防法について

弾性ストッキングの着用
→ストッキングたるみのないように着用しましょう。
水分摂取
→脱水になると血液が濃くなり血栓ができやすくなります。
水分制限がある患者さんは医師または看護師に確認してください
間欠的空気圧迫法(フットポンプ)
手術後、血液の流れをよくするためにフットポンプを付けることがあります。
フットポ ンプが外れたら足関節運動にご協力ください。

3. 自分でできる運動の方法

1セット10回 1日あたり5セット~

①足首の運動
足首の運動
腰をしっかりのばし、足先を上下に動かします
②足指の運動
足指の運動
足指を曲げ伸ばしします
③足首の運動(座位)
足首の運動
足を床につけた状態からかかとを上げ下ろしします
④足を高くする
足を高くする
寝ているときはクッションなどで足をやや高くします

  • 無理せずに、ご自身のペースで行いましょう。
  • 下記のような症状がある場合はスタッフにお声をかけてください。
    ストッキング装着後の痛みやしびれ、皮膚のかゆみ、むくみ など

せん妄の予防と対策について

せん妄は入院している患者さんの20~30%にみられる症状です。
せん妄は認知症と異なり、一時的なもので、適切な対処をすることで改善することができるとされています。
せん妄の予防と対策には、ご家族の理解と協力が必要になります。早期に発見し治療するためにせん妄の症状や対策について考えていきましょう。

せん妄の症状

せん妄の症状


せん妄と認知症の違い

  せん妄 認知症
発症 急性 慢性
経過 一時的 持続
症状変化 あり(夜間に悪化) 1日中変化なし
意識 混濁(注意力低下) あり

せん妄になりやすい人・原因

直接因子
  • 全身状態の変化(脱水、感染、低栄養、貧血など)
  • 入院前に使用していた薬の中断、新たな薬の開始
  • アルコールからの離脱
誘発因子
  • 入院などによる環境の変化
  • 騒音や照明による睡眠不足
  • 不安などの心理的ストレス、痛みなどの身体的ストレス
  • 眼鏡や補聴器の不使用による感覚遮断
  • 安全帯などの使用による拘束
準備因子
  • 高齢
  • 脳梗塞や脳出血の既往
  • 認知機能低下
せん妄の原因1

せん妄の原因2


せん妄の治療

せん妄はもともとの病気と密接に関係しています。
原因となる病気の治療が大切です。また、せん妄症状の改善のため以下のようなことを行います。
  • 興奮しているのを落ち着かせたり、夜に眠れるような薬の使用
  • 痛みなどの不快な症状の緩和
  • 昼夜リズムの改善
  • 普段慣れた環境に近づける
  • 安全を守るための最小限の身体拘束

ご家族へのお願い

患者さんが混乱している時は、ご家族がそばにいるだけで患者さんは安心されますので付き添いなどの協力をお願いいたします。
  • つじつまの合わない話があっても無理に正す必要はありません。いつも通りのおちついた声掛けをお願いします。
普段に近い環境にするために以下の物の準備をお願いすることもあります。
  • カレンダー・時計
  • 患者さんが普段使用しているもの
  • 患者さんの趣味の道具(本、ぬりえ、パズル、囲碁など)

当院では精神科医師を中心に「せん妄・認知症ケアチーム」活動を行っております。
様子が普段と違うこと等がありましたら、遠慮なく看護師にお申し出ください。
専門医と相談しながら対応していきます。

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