令和元年度 東名厚木病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 68 144 180 445 650 1086 1768 1121 312
当院は地域の中核病院として救急医療及びがん治療中心に地域の急性期医療を担っています。
当該データは、平成31年4月1日から令和2年3月31日迄の退院患者のデータである。年齢構成は、60歳以上の患者さんが多く、全体の約75%を占めています。令和元年度における当院の退院患者の平均年齢は全体で約67.6歳です。そのうち、男性65.3歳、女性71.4歳となっております。
厚木市は神奈川県内においても全国的にも急速に高齢化が進んでいる地域となっており、今後、当院における患者層も高齢化の一途を辿ることが予想されます。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1:あり 107 2.00 2.03 0.00 51.87
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 40 8.50 9.59 0.00 67.28
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:7あり 副傷病:なし 27 9.89 10.50 0.00 71.07
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 24 17.13 14.62 4.17 77.54
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2:なし 22 11.64 11.51 0.00 70.86
●呼吸器外科の疾患領域:気管、気管支、肺、縦隔といった器官の疾患。具体的には、風邪症候群、上気道炎、肺炎といった急性疾患から、気管支喘息、肺気腫、肺線維症といった慢性疾患、また肺癌、縦隔腫瘍、中皮腫などの腫瘍性疾患、さらに胸郭の変形(漏斗胸、鳩胸)、睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群)等 ※当院の呼吸器外科では内科・外科の両側面から診療しています。

前年度、一番患者が多かったのが、睡眠時無呼吸症候群の診断のための検査入院です。入院は1泊2日で個室入院です(個室料金はかかりません)
体に機械を装着し、寝ている間の脳波や呼吸状態等を機械に記録し、睡眠中の無呼吸状態を精査します。睡眠時無呼吸症候群は突然死につながる
とても怖い病気です。ご家族等から鼾を指摘されている方は検査をお勧めします。
 2位から5位は、全て肺がんであり、抗がん剤治療及び手術治療が主となっています。抗がん剤の種類は、がん細胞の代謝を阻害して増殖を
 抑制する抗がん剤やがん細胞が細胞分れるする際に重要な働きをする微小管を阻害してがん細胞の増殖を抑制する抗がん剤や分子標的薬等様々です。
 患者さんの病態に応じ、適切な抗がん剤を選択しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病:なし 330 2.15 2.63 0.30 64.68
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 83 7.90 9.79 1.20 75.48
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 59 7.37 8.89 5.08 68.08
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎   手術・処置等2:なし 45 6.36 5.39 4.44 56.96
060335xx97x00x 胆嚢炎等 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 35 14.71 16.82 0.00 69.63
●消化器内科の疾患領域:主に、外科的手術を要しない食道、胃、十二指腸、胆嚢、胆管、肝臓、膵臓、小腸、大腸(結腸・直腸)等の疾患。

 当科では、大腸にできた腫瘍(ポリープ含む)を内視鏡的に切除する症例が1番多く、この中から病理検査の結果で約11%が癌と診断されています。
 以降は、胆管結石や胆管炎における内視鏡治療、保存的治療やイレウスチューブによるドレナージ治療を要する腸閉塞等となっています。
 
 平均在院日数:クリティカルパス等も使用しており、全国平均より短くなっています。
 平均年齢:他の診療科よりも比較的若い年齢層となっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 127 1.43 3.01 1.57 65.13
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1:なし、1,2あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 65 2.37 4.40 0.00 67.43
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2:なし 58 3.71 5.02 0.00 65.09
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 52 12.48 17.71 1.92 78.98
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1:なし、1あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 42 13.24 12.37 4.76 63.83
●循環器内科の疾患領域:虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、各種不整脈、弁疾患、心不全などの心臓疾患。

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
1位)狭心症や心筋梗塞の診断、及び狭心症や急性心筋梗塞でカテーテル手術(風船治療やステント留置)後の経過を診る目的で心臓カテーテル検査のみを    行った症例
2位)狭心症や陳旧性心筋梗塞等でカテーテル手術(風船治療やステント留置)を行った症例
3位)頻脈性不整脈(心房細動等、脈が速くなる不整脈)の原因となる副伝導路(心臓内に電気興奮を伝える正常の伝導経路とは別に存在する伝導路)を
    カテーテルを用いて焼灼して遮断する手術を行った症例
4位)心不全に対する点滴治療等の薬物療法や酸素投与
5位)急性心筋梗塞でカテーテル手術(風船治療やステント留置)を行った症例
※急性心筋梗塞においては、病院に到着してから90分以内に梗塞部位を特定し、カテーテル治療で血流の再開通ができるかが、予後等に関わってきます。
  当院では、24時間体制でカテーテル治療ができる体制を整備しております。

 平均在院日数:狭心症等は日帰りや1泊入院で検査、手術を実施しているため、全国平均より約1日~2日短い入院期間となっています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病:なし 26 14.81 12.58 0.00 74.65
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 15 7.13 8.48 0.00 65.60
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 5.00 5.01 0.00 65.75
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 12 11.67 17.71 0.00 78.25
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 10 13.70 11.67 20.00 68.40
●腎臓内科疾患領域:糖尿病、腎炎、その他内分泌疾患、末期腎不全とその合併症

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:(※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。)
1位)腎臓や尿路の感染症で抗生剤の点滴治療を主に行った症例
2位)維持透析が必要な腎不全に対して透析シャント血管造設術等を行った症例
3位)回転性めまい等に対する点滴治療等
4位)心不全に対する点滴等の薬物療法や酸素投与
5位)腎不全に対して手術等は行わず、透析導入後1か月未満や、血液ろ過行った症例若しくは、敗血症や急性肝不全等の重篤な合併症を有した維持透析
    症例
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり 副傷病:なし 71 3.10 4.36 0.00 71.59
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 71 3.99 4.85 1.41 66.35
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 48 5.56 6.37 0.00 54.15
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 副傷病:なし 33 4.82 6.94 0.00 35.24
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 21 11.95 9.79 0.00 54.86
●消化器外科の疾患領域:主に、外科的手術を必要とする食道、胃、十二指腸、胆嚢、胆管、肝臓、膵臓、小腸、大腸、肛門等の疾患。

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
1位)直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍でベバシズマブ(分子標的薬)を使用した化学療法を行った症例
2位)鼠径部のヘルニア(脱腸)に対する腹腔鏡下等による根治手術を行った症例
3位)胆のう結石(胆石)や胆のう炎に対して腹腔鏡下による胆のう摘出術を施行した症例
4位)虫垂炎対して点滴による保存的治療を行った症例
5位)虫垂周囲膿瘍を伴う虫垂炎対して腹腔鏡下虫垂切除術等を行った症例

●他の医療機関では、外科で化学療法を担当することは比較的少ないのですが、当院では、化学療法を入院でも外来でも消化器系疾患に対しては外科が主に
  担当しています。その為、化学療法の症例が上位に入っています。勿論、悪性腫瘍の手術も行っています。
●平均在院日数は虫垂炎以外は全国平均より短くなっています。また、平均年齢も他の診療科より若くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 140 33.05 25.94 34.29 82.09
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 48 4.42 5.54 0.00 64.73
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病:なし 37 3.46 5.94 0.00 45.78
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病:なし 27 30.26 19.40 18.52 75.85
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 22 30.82 21.53 0.00 70.00
●整形外科の疾患領域:主に、四肢帯(指を除く)の筋肉、骨、関節、腱、靭帯、体幹の骨(脊椎・肋骨・胸骨)等の疾患。

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
 1位)大腿骨頚部骨折等の股関節近くの大腿骨の骨折等でチタン製のプレートやスクリュー、人工骨頭等で骨折部位の整復固定手術を行った症例
 2位)前腕骨(橈骨と尺骨と呼ばれる肘下から手首の間の2本の骨)の骨折でチタン製のプレートやスクリュー等で骨折部位の整復固定手術を行った症例
 3位)鎖骨や肩甲骨の骨折でチタン製のプレートやスクリュー等で骨折部位の整復固定手術を行った症例
 4位)脊椎(頸椎を除く)の骨折で手術は行わず、リハビリテーション等による保存的治療を行った症例
 5位)股関節の骨頭壊死や変形性股関節症等に対して、関節を人工関節に置き換える手術を行った症例

●平均年齢:当院では、大腿骨頚部骨折や脊椎骨折は平均年齢が高く、高齢者に特化している疾患と言えます。高齢者では骨粗しょう症(骨の中がスカスカになり、骨がもろくなる病気)が多く、それ故に転倒や尻もち等のちょっとした衝撃で骨折してしまいます。前腕骨や鎖骨等の上肢骨折は40代前半から50代と若い患者が多く、スポーツや事故等による発症が多く見られます。

●転院率:当院では、大腿骨頚部骨折等について、自宅の在宅に帰る患者については、手術等の急性期治療が終了すると、自院内の地域包括ケア病棟へ転棟
       していただき、退院までリハビリを中心とした治療を行います。しかし、リハビリが長期間必要と医師が判断した患者については、当院と連携するリハビリ治
       療に特化した機能をもつ医療機関へ約35%の患者さんが転院しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症   手術・処置等1:なし 26 14.62 12.55 3.85 59.08
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2:なし 19 3.79 3.10 0.00 68.11
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 14 4.86 5.26 0.00 40.79
160660xxxx0x0x 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創   手術・処置等1:なし 副傷病:なし 12 10.42 9.79 0.00 59.33
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1:なし 副傷病:なし - - 5.41 - -
●形成外科の疾患領域:一般形成外科(皮膚、皮下腫瘍・陥入爪・皮膚瘢痕・皮膚潰瘍・褥瘡(床ずれ)・熱傷・リンパ浮腫等)及び顔面外傷(鼻骨や、頬の骨等の骨折等)や手足の外科(手足の指趾の切断、骨折、切創、挫滅創、神経や腱、血管の断裂、ばね指)

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:(※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。)
1位)蜂巣炎(皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけての細菌による化膿性炎症)等で手術はせずに主に抗生剤の点滴治療を行った症例
2位)眼瞼下垂症に対して眼瞼下垂症手術を行った症例
3位)鼻骨骨折や頬骨骨折等の顔面骨の骨折に対してプレート等のインプラントによる骨折固定術を行った症例
4位)各部位(頭頚部を除く)の皮膚及び皮下組織の表在損傷(挫滅創等)や開放創に対する治療症例
5位)骨腫瘍や軟部腫瘍(おもに筋肉、脂肪組織、皮下、結合組織、末梢神経など)に発生する腫瘍に対して腫瘍切除術を行った症例

●当院の形成外科ではここには記載がありませんが、労災事故等による切断した四肢の再接合術や乳がんによる乳房切除後の乳房再建術も数多く行っています。
●平均年齢:当科では比較的年齢は若く、特に顔面損傷(鼻骨骨折が主)は10代~40代の患者構成となっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 54 15.67 16.13 18.52 69.19
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 44 22.98 18.81 45.45 68.98
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 26 14.88 9.67 7.69 80.54
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 24 10.58 7.34 16.67 69.83
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 23 4.52 7.10 4.35 50.74
●脳神経外科の疾患領域:虚血性脳血管疾患(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)、頭頚部外傷(慢性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血・脊髄損傷
・脳挫傷等)、その他(脳動静脈奇形・脳動脈瘤・脳腫瘍・水頭症等)

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
1位)発症前の日常生活に特に大きな支障はなく、意識障害が軽度でかつ発症後3日以内の脳梗塞で、主に脳保護剤の点滴治療を行った症例で肺炎等の
    合併症がなかった症例
2位)意識障害が軽度な非外傷性の脳内出血等で、手術等は行わず血圧コントロール等保存的治療及びリハビリテーションを行った症例
3位)外傷による頭蓋・頭蓋内損傷で穿頭(頭に穴を開ける)による血腫除去や頭蓋骨形成手術を行い、てんかん等の合併症がなかった症例
4位)外傷による頭蓋・頭蓋内損傷で手術等は行わず、保存的治療を行い、てんかんや肺炎、尿路感染症等の合併症がなかった症例
5位)てんかん対する点滴等による薬物療法を行った症例
●1位と2位の脳梗塞や脳出血の要因としては、高血圧や動脈硬化、脂質異常症、不整脈などの脳梗塞や脳内出血を引き起こす原因となる生活習慣病
  が挙げられる。3位と4位は高齢者に多い外傷性慢性硬膜下血腫(頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気)が主であ
  り、転倒等により頭部打撲後 約1~2ヶ月後に頭痛、歩行障害(片麻痺)、認知症症状等で発症します。以上から、平均年齢が約70歳~80歳と高くなって
  います。

●転院率:脳血管疾患や外傷による脳の損傷においては、上下肢の麻痺や構音障害等の後遺症が残存するため、リハビリを長期間する必要があり、当院での
       急性期治療を終えると、回復期リハビリ病院や長期療養病院へ転院する場合もあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1:あり 副傷病:なし 72 2.19 2.49 0.00 68.50
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1:なし 副傷病:なし 43 2.02 2.64 0.00 56.53
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1:なし 副傷病:なし 37 3.08 5.61 2.70 64.46
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:なし 35 4.17 7.07 0.00 74.14
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病:なし 15 5.40 7.38 6.67 78.20
●泌尿器科疾患領域:腎・尿管・膀胱結石、悪性腫瘍(腎がん・膀胱がん・前立腺がん・精巣がん等)、前立腺肥大症、陰のう水腫、水腎症、尿路感染等

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
1位)前立腺がんの診断目的で前立腺針生検を実施した症例
2位)尿管結石で体外から衝撃波エネルギーをあて結石を砕く手術を実施した症例
3位)尿路結石で経尿道的尿路結石除去術を実施した症例
4位)膀胱がんに対して経尿道的切除術を実施した症例
5位)腎、尿管結石等による水腎症(腎臓で作られた尿の流れがせきとめられて、尿の通り道や腎臓の中に尿がたまって拡張した状態)に対して尿管ステント留
    置術等を実施した症例

●平均在院日数:何れの症例も全国平均より短くなっております。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病:なし 39 9.95 12.58 5.13 72.28
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1:なし 手術・処置等2:4あり 副傷病:なし 重症度:発症前Rankin Scale 0、1又は2 35 17.20 16.13 28.57 71.66
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし 20 15.20 20.84 15.00 82.95
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 19 4.32 5.01 0.00 66.47
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2:なし 14 6.21 8.86 0.00 68.57
●救急科疾患領域:内科系疾患全般、外傷全般、※初期治療後、専門医による手術等の治療が必要な場合は専門科へ転科します。

●疾患名と治療内容をふまえた患者数トップ5:
1位)尿路感染症で抗生剤の点滴治療を主に行った症例
2位)発症前の日常生活に特に大きな支障はなく、意識障害が軽度でかつ発症後3日以内の脳梗塞で、主に脳保護剤の点滴治療を行った患者で肺炎等の
     合併症がなかった症例
3位)誤嚥性肺炎に対して、抗生剤等の点滴治療や摂食嚥下療法(飲み込む訓練)を主に行った症例
4位)回転性めまい等に対する点滴治療等
5位)※虚血性腸炎に対して、点滴等による保存的治療を行った症例
※虚血性腸炎とは動脈硬化や便秘等が原因で大腸に栄養や酸素を供給するための血管が一時的に詰まってしまうことで、大腸に炎症(粘膜のただれ・潰瘍など)が起こる病気です。放置しておくと腸が壊死したり腸閉塞になる恐れがあります。

●転院率:救急科では紹介患者さんも多く、他院入院中に発症し、当院での治療が終了後に紹介元へ転院となる方が多くいます。脳梗塞は、リハビリ病院へ
       転院される方や、紹介元へ転院される方がいます。
●当院は、摂食嚥下療法チームがあり、医師、看護師、歯科衛生士、言語療法士等で編成され、積極的に誤嚥性肺炎や脳梗塞後遺症等の患者さんに介入
 し、摂食嚥下療法を実践しています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2:なし 61 7.80 10.34 0.00 61.85
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2:なし - - 6.48 - -
090010xx99x00x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:なし 副傷病:なし - - 8.43 - -
●乳腺外科疾患領域:乳腺・乳房の腫瘍(良性・悪性)、乳頭異常分泌、甲状腺腫瘍(良性・悪性)

●疾患名と治療内容をふまえた患者数(※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。)
1位)当科では乳がんに対する治療が主となっており、令和元年度において一番多かった症例は乳がんに対する乳房温存手術と腋窩リンパ節郭清(腋の下のリンパ節を切除する)等を併せて行った症例や乳房切除術を実施した症例であった。

●当院では、平成29年5月より放射線治療が開始されました。乳癌に対する外来での放射線治療も数多く実施しています。
●平均年齢:当院の乳がん患者の平均年齢は全体で60歳代であるが、国の罹患数の統計上は若年層(15~39歳)から中年層(40~59歳)に最も多く、60歳を超えると減少しているのが現状である。当院の場合、乳がん患者の約4割が60歳代である。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 14 2.79 2.78 0.00 66.14
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1:なし、1あり 手術・処置等2:なし 副傷病:なし - - 5.34 - -
●血管外科疾患領域:動脈:腹部大動脈瘤、大動脈解離(解離性大動脈瘤)、閉塞性動脈硬化症やバージャー病による虚血肢、末梢血管の動脈瘤や動脈
  閉塞 静脈:下肢静脈瘤、深部静脈血栓症(肺塞栓症を含む) その他:リンパ浮腫、血液透析シャントなど

●疾患名と治療内容をふまえた患者数(※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。)
 1位)下肢静脈瘤等に対して、高周波を使って血管を焼き縮めて閉塞する手術を実施した症例
 2位)下肢の閉塞性動脈硬化症に対して、動脈塞栓除去術や四肢の血管拡張術又は血栓除去術等を実施した肺炎や糖尿病性足病変の合併症のある症例
 
●平均年齢:下肢静脈瘤の患者層は65歳以上の高齢者に多く、男女比では4:6で女性の方が多い。
●平均在院日数:下肢静脈瘤に対する高周波による血管焼灼術は2泊3日で行っており、全国平均値とほぼ同じである。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 25 - 13 16 - - 1 7
大腸癌 - 46 74 127 - 32 2 8
乳癌 17 28 11 - - - 1 7
肺癌 24 16 44 71 30 - 1 7
肝癌 - - - - - 14 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
●5大癌とは、胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の5つの臓器癌を意味します。
●UICCTNM分類とは:
・T(primaryTumor:原発腫瘍):原発腫瘍の大きさや浸潤(深さ)の程度によってT1~T4で分類される。
・N(regionallymphNodes:所属リンパ節):原発腫瘍の臓器に所属するリンパ節への転移の有無とその広がりでN0~N3で分類される。
・M(distantMetastasis:遠隔転移):原発腫瘍の臓器とは別の臓器への転移の有無でM0~M1で分類される。
このTNMの組み合わせで病期(ステージ)がⅠ期・Ⅱ期・Ⅲ期・Ⅳ期のいずれかに決まります。数字が増えるほど進行していることを意味します。

●当院では上記5大癌を主病として一般病棟で治療され、令和元年度(4月~3月)に退院した患者の内、当該指標の集計対象となった数が(※)延べ662人となっています。(※1人の患者さんが2回入退院された場合、2人とカウントします。)
患者数が多い順に大腸癌296人、肺癌194人、胃癌73人、乳癌67人、肝癌32人となっています。ステージ4の患者が大腸がん、肺がんに多く見られます。

●当院ではこの5大癌に対して科学的根拠に基づいた標準的治療、※集学的治療及び緩和ケアの体制を整備しております。
※集学的治療とは:手術、薬物療法、放射線療法等の治療法の中から2つ以上の治療法を組み合わせて行う治療のことを意味します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 39 10.08 49.51
中等症 173 15.66 78.22
重症 43 20.53 83.74
超重症 18 25.72 87.06
不明 - - -
●市中肺炎とは?:病院等の医療機関以外で日常生活をしている人に発症した肺炎のことです。肺炎は罹患した環境によって市中肺炎と院内肺炎(病院内で
  罹患)に分けられます。また、上記データにはインフルエンザウイルス等によるウイルス性肺炎や肺がん等による閉塞性肺炎、また、誤嚥性肺炎は含まれていませ
ん。
●重症度:市中肺炎ガイドラインによる重症度分類(A-DROP)により判定します。
 ①A(Age:年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
 ②D(Dehydration:脱水):血液検査項目のBUN(尿素窒素)が21mg/mL以上、又は脱水あり
 ③R(Respiration:呼吸):血液中の酸素濃度が90%以下
 ④O(Orientation:意識):意識障害あり
 ⑤P(Pressure:血圧):収縮期血圧が90mmHg以下
※上記の①~⑤の該当した項目数の(1項目1点)の合計で判定されます。全てに該当すれば5点となり、数字が大きいほど重症となります。
※0点:軽症 1~2点:中等症 3点:重症 4~5点:超重症 ※但し、意識障害(ショック)がある場合は、1項目でも重症となります。

●当院では中等度の患者が最も多く、6割を占めています。前年度と比較すると超重症の患者が半数以上減少しています。平均在院日数は前年度よりも全体的に短縮していますが、超重症は1日延長となっています。また、中等症から平均年齢も高くなり、重症度高くなるほど平均在院日数も延びていることが分かります。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 192 23.48 73.98 26.24
その他 10 16.00 79.50 0.00
●当院では、24時間365日救急対応していることから9.5割以上が発症から3日以内に診断されており、tPA治療(発症後4.5時間以内の脳梗塞に対して行う注射薬による血栓溶解療法)や経皮的脳血栓回収術(カテーテルによる血栓除去手術)等、発症から早期に治療を開始している。また、四肢の麻痺や構音障害等の後遺症でリハビリが長期間必要と医師が判断した患者については、近隣の医療機関と連携して、地域連携パス(急性期医療・回復期医療・維持期医療のそれぞれを担う医療機関の治療計画表(メニュー表))を使用し、当院での治療計画(急性期医療)が終了した時点でリハビリを集中的に行う病院へ約3割の患者が転院しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 13 4.77 11.46 0.00 42.46
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 10 2.90 6.90 0.00 69.40
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) - - - - -
K5042 縦隔悪性腫瘍手術(広汎摘出) - - - - -
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) - - - - -
●呼吸器外科では気胸(肺に穴が開いて胸腔に空気が漏れて肺が小さくなる)に対する胸腔鏡下による肺胞切除術が1番多く、6割が10代~40代の男性です。手術迄の日数が6日程度あるのは、気胸は重症度によりますが、手術が治療の第一選択ではありません。まずは、胸にチェストチューブと呼ばれる管を挿入して、胸腔の肺から漏れて溜まった空気を体外へ排出する治療を行い経過をみます。それでも、肺から空気が漏れ続ける場合や肺の膨らみが不十分な場合に手術となるため、手術迄の日数が6日程あります。次に多いのは胸腔鏡下での肺がんの手術です。部分切除だと術後7日程度、肺葉切除だと術後10日程度で退院となります。
※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 49 0.20 1.10 0.00 66.59
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 49 1.00 1.67 0.00 65.82
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 29 0.03 8.90 3.45 67.69
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 20 0.00 13.35 5.00 63.70
K597-2 ペースメーカー交換術 11 0.00 4.09 0.00 78.55
●循環器内科では1位、3位、4位が急性心筋梗塞や不安定狭心症等の虚血性心疾患に対して行われたもので、動脈硬化や血栓で詰まったり、狭くなった冠動脈(心臓の血管)にステントと呼ばれる金属でできた筒状のものを留置して血管を拡張させ、血流を再開通する手術である。
1番多かったのが、胸痛等の胸部症がなかったり、あっても1ヶ月以上症状がない緊急性の低い狭心症や陳旧性心筋梗塞等で予約入院で行われた待機的手術です。2番目は、頻脈性不整脈(心房細動等、脈が速くなる不整脈)の原因となる副伝導路(心臓内に電気興奮を伝える正常の伝導経路とは別に存在する
伝導路)をカテーテルを用いて焼灼して遮断する手術となっております。3番目に多かったのは不安定狭心症で重症度がclassⅠ~Ⅲでかつ、急性冠症候群の短期リスク評価が中等度~高リスクで来院から24時間以内に手術を開始した緊急性の高い手術です。4番目は、急性心筋梗塞で症状発現から12時間以内に病院で診断され、かつ、来院から90分以内に詰まった血管をステントで再開通させた場合に算定するもので、非常に緊急性が高い手術です。当院では循環器内科医が常勤3名のオンコール体制で休日や夜間でも緊急カテーテル検査や当該手術が可能となっています。また、当院は心臓血管外科がないため、バイパス手術等の外科的手術が必要な場合には連携している大学病院等へ紹介しております。当科で手術はご覧の通り、カテーテルによる手術が主となっています。

1位、2位、5位は予約入院による待機的手術となっており、術後1日~4日で退院可能となっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 320 0.16 1.11 0.31 65.75
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 94 0.72 8.90 0.00 78.37
K681 胆嚢外瘻造設術 48 1.38 19.60 6.25 72.56
K654 内視鏡的消化管止血術 43 0.23 13.19 4.65 69.09
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 33 0.00 1.12 0.00 60.42
●消化器内科では内視鏡手術が主となります。大腸ポリープや腺腫に対する粘膜切除やEMR(粘膜切除)が1番多く、癌の早期発見及び治療のために積極的に当該手術を行っています。ポリープ切除は1泊2日で行います。
次いで胆管炎や胆道狭窄に対して行う胆道ステント留置術、胆嚢外瘻造設術(手術でおなかを開けて、皮膚と胆嚢を直接つなぐ手術で胆嚢に溜まった胆汁を体外へ排出するために行います。)上部消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血に対する止血術となっています。当院では365日24時間体制で緊急内視鏡検査や手術が実施できる体制を整備しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕・大腿) 101 3.92 24.39 23.76 81.28
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿) 59 2.85 11.83 1.69 63.90
K0811 人工骨頭挿入術(股) 59 5.32 24.64 38.98 80.75
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 48 1.00 1.94 0.00 56.85
K0821 人工関節置換術(膝) 48 2.88 29.60 8.33 74.63
●整形外科の手術の多くは、骨折に対して行うプレートやスクリューで骨折部位を固定する手術が占めます。上記のうち4つの手術も骨折に対する手術です。
1番多いのは大腿骨の骨折に対する手術です。大腿骨は人体の中で一番長く、体積があり強靭な骨で、股から膝の間を構成しています。その強靭な骨が高齢者になると骨粗しょう症により骨の中がスカスカになってしまい、転倒や尻もち等の少しの衝撃でも骨折してしまいます。当該手術を行った患者の9割が65歳以上の高齢者で70代~90代に集中しています。
3番目の人工骨頭挿入術も大腿骨頚部骨折等に対して行われる手術です。大腿骨頚部とは大腿骨頭と呼ばれる股関節とつながる大腿骨の球状の骨の首の部分にあたります。大腿骨頚部が骨折すると、股関節との接続ができないため足が自由に動かなくなってしまいます。その為にチタン等でできた人工骨頭と呼ばれる人工で作られた骨と骨折した部分を取り換える手術を行います。この手術も9割以上が65歳以上の高齢者に対して行われています。また、高齢者の大腿骨骨折ではリハビリが長期間必要となるため、急性期治療終了後、当院の地域包括ケア病棟へ転棟して、リハビリを集中的に行っていただきます。それでもさらに入院によるリハビリが必要な場合には、連携するリハビリ専門病院等へ転院していただいております。
また、当院では、変形性関節症(膝や股)に対する手術や脊椎手術も数多く実施しています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 18 1.00 1.78 0.00 66.39
K0021 デブリードマン(100cm2未満) 16 1.56 61.19 6.25 68.88
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 15 1.07 2.07 0.00 54.73
K333 鼻骨骨折整復固定術 - - - - -
K0841 四肢切断術(足) - - - - -
●形成外科では主に眼瞼下垂や褥瘡(床ずれ)、顔面外傷及び軟部腫瘍の手術が多くなっています。ランク外では皮膚悪性腫瘍切除や切断指の再接合術、植皮術などを行っております。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) 34 1.79 18.59 11.76 80.12
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 17 1.35 53.47 64.71 66.12
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
●脳神経外科では、外傷性慢性硬膜下血腫に対して行われた血腫洗浄・除去術が1番多かった。この手術は医療用ドリルで頭蓋骨に穴を開けて、血腫を取り除く手術です。慢性硬膜下血腫とは頭部打撲等の外傷後(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して、四肢の麻痺等、様々な神経症状を来たす病気です。高齢者の男性に多いとされています。
当院でも約7割が高齢者の男性となっています。
2番目に多かったのが脳動脈瘤頸部クリッピング術です。脳動脈瘤とは高血圧や動脈硬化、血管の奇形等が原因で脳の一部が瘤(こぶ)状になり、その瘤の中に血液が溜まってしまう病気です。また、その瘤が破裂するとくも膜下出血となり、死に至る可能性がある非常に怖い病気です。しかし、通常の大きさでは自覚症状がないため、未破裂で発見されることは少なく、当院で行われた手術も全て、破裂してくも膜下出血を来たしてから行われたものです。
未破裂で発見するには、定期的に脳ドック等を受診してMRI(MRA)やCT検査をすることが大事です。長期の入院リハビリ治療が必要でリハビリ病院等へ転院した患者さんが約65%です。
また、当院では、脳梗塞に対してt-PA治療(血栓溶解療法)が奏功しなかった場合に、カテーテルによる血栓回収術も積極的に行っています。
※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 43 0.00 1.02 0.00 56.53
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 37 0.97 1.11 2.70 64.46
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 35 1.11 2.06 0.00 74.14
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 23 0.52 5.04 8.70 78.70
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 13 1.00 4.15 0.00 70.92
●泌尿器科では、腎臓結石や尿管結石に対して行った、衝撃波エネルギーによる破砕術やレーザーで結石を破砕して除去する手術が上位を占めています。次いで膀胱がんに対する経尿道的切除術(開腹せずに、内視鏡下で行う低侵襲手術)となっています。次に結石等に伴う閉塞を伴う水腎症に対して行った、尿管を拡張するためにステントと呼ばれる筒を留置する手術です。水腎症とは、尿路の一部が結石や腫瘍等で閉塞され、満杯になった尿によって腎臓が拡張してしまった状態のことで、尿路の閉塞により腎臓に対して圧力が加わることで発生します。そのために、ステントを留置して尿管を拡張することで、尿が流れるようにします。次の手術はクリニカルパス(標準的治療計画)を用いており、短期間での治療が可能です。腎・尿管結石破砕術は1泊2日で、経尿道的結石除去は2泊3日、膀胱悪性腫瘍手術については3泊4日で退院が可能となります。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 32 5.75 7.50 3.13 67.97
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 10 2.10 5.90 50.00 71.20
K0841 四肢切断術(大腿・足) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
●腎臓内科で行う手術は人工透析にかかわる手術が9割以上を占めます。人工透析の際には2本の太い針をシャントと呼ばれる血管に刺します。1本は体内の血液をろ過するために体外へ出すもの、もう1本はろ過されたきれいな血液を体内に戻すためのものです。内シャント設置術とは、腕の動脈をその近くにある静脈に吻合(つなぎ合わせる)することで、穿刺のしやすい静脈に血液をたくさんを流すことができる血管を造ることです。当該手術は、透析の新規導入時だけではなく、1度作成したシャントは永久に使えるものではなく、老朽化し何度も狭窄や閉塞等を起こして使えなくなるため、改めて別の場所に再設置も行われます。
2番目はシャントが狭窄したり、血栓で詰まった際に行った、経皮的シャント拡張術・血栓除去術です。この手術でシャントが回復すれば、前段の内シャント再設置術をする必要はありません。
2位の手術の転院率は50%となっています。これは、他の長期療養病院に入院中に当院へ紹介され、手術後、シャントが使用可能であることを確認した上で紹介元の病院へ転院されているものです。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 15 0.13 1.07 0.00 68.73
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) - - - - -
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -
●救急科では、大腸内視鏡専門医もいるため、内視鏡によるポリープや早期大腸がんの切除術をはじめとする内視鏡手術も行っています。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 52 0.77 2.10 1.92 69.46
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 51 1.16 3.37 0.00 54.75
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 24 7.25 14.58 0.00 74.79
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 19 1.05 4.11 0.00 68.05
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 19 1.00 2.32 0.00 57.84
●当科では、可能な限り患者さんにとって低侵襲である腹腔鏡下手術を選択しています。食道、胃、結腸、直腸の悪性腫瘍手術やヘルニア、胆石手術等を腹腔鏡下で行うことが可能です。疾患では鼠径ヘルニア、胆石及び胆のう炎、消化管の悪性腫瘍手術が主となっております。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 31 1.03 7.26 0.00 67.42
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) 24 1.00 4.42 0.00 57.71
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm未満) - - - - -
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
●乳腺外科では約9割以上が乳がんの手術です。乳房部分切除術(乳房温存手術)と乳房を温存しない乳房切除術が約半々です。乳がんは腋窩リンパ節に入り込み全身に転移する恐れがあるため、検査によって転移のリスクが高いと判断された症例については腋の下のリンパ節の切除も併せて行います。 乳房部分切除は術後5日間、乳房全切除は7日から8日程度で退院となります。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 13 0.85 1.00 0.00 65.85
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 10 1.70 4.60 20.00 74.90
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) - - - - -
●血管外科では、下肢静脈瘤血管内焼灼術が1番多く、この手術は、静脈瘤発生の原因となる大伏在静脈や小伏在静脈の血管内腔にカテーテルを挿入し、レーザー光や高周波で血管内壁を焼いて血管を焼き縮めて閉塞する手術です。低侵襲手術で患者さんの体への負担も少なく、2泊3日で退院となります。

※患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 13 0.23
異なる 14 0.24
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 37 0.64
異なる - -
患者数が10件未満の項目はー(ハイフン)で表記しています。また、指標上の入院契機の「同一」、「異なる」とは入院の契機(きっかけ)となった傷病名と入院治療において医療資源が最も投入された傷病名が同じか否かを意味しています。「異なる」場合には入院後に指標にある傷病名が発生したということになります。

●播種性血管内凝固症候群とは、がん、敗血症(全身感染症)等の重症疾患により、出血が起こっていない場所でも血液凝固反応(血液がかたまる力)が強くなってしまい、体中の毛細血管に至るまで血栓ができる重篤な状態で死亡率も高くなります。

●敗血症とは、肺炎や尿路感染など体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に細菌が入り込み、全身に炎症を引き起こす、非常に怖い病気です。播種性血管内凝固症候群や多臓器不全に至ると死亡率も非常に高くなります。背景として悪性腫瘍、血液疾患、糖尿病、肝・腎疾患、膠原病(こうげんびょう)といった基礎疾患がある場合や、高齢者、手術後といった状態である場合が多いとされています。

●手術・処置等の合併症とは、手術や医療処置の後に発生した合併症(偶発症)のことです。当院では、令和元年度において37件の症例数がありました。昨年度より4件減少しております。このうち、透析シャント(透析用の針を刺すために手術で作られた血管)の狭窄や閉塞が約5割を占めています。シャント血管は透析を行うために、多くの血液が流れるように手術されているため、動脈硬化等によりシャント血管が血栓で詰まったり、狭窄するリスクが高いためです。当院は透析センターも併設しているため透析患者さんも多いこともあります。残りの5割は、術後創部関連や大腸ポリープ切除後出血等が認められました。
手術・処置等の合併症は一定の確率で起こり得るものです。起こり得る合併症については、事前に十分に説明をした上で、合併症の発症が最小限になるように努め、発症した際には迅速に対応ております。
更新履歴
2020/9/25