東名厚木病院

神奈川県がん診療連携指定病院

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コラム

快眠を得るための枕とは

睡眠は1日の約3分の1の時間を占めており、脳や身体の疲れを取るといわれています。

しかし、睡眠は長時間とればよいわけではなく、質を兼ね備えてなければ疲労回復を促すような良い眠りを得る事は出来ません。睡眠の質とは睡眠の深さであり、寝姿勢と寝具条件が重要です。

今回は、寝姿勢と関連が深い枕について考えてみたいと思います。通常、頚椎(首)は、前弯(前に丸まっている)が存在し、第3~第6頚椎を中心にS字を描いています。この弯曲を維持することが、筋肉の過度な緊張を防ぎ、痛みを軽減するために極めて重要です。しかし、長期のデスクワーク等により、頭部が前方に出る姿勢が続くことで、頚椎の前弯が失われ、これにより後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋・下頭斜筋等)に持続的な緊張が加わり、睡眠時の寝心地の悪さに繋がっています。このような症状の方は、高めの枕を使用していると後頭下筋群が常に緊張状態となり、頚・肩こりの出現・増悪を招きます。これには低めの枕を使用することで、後頭下筋群の緊張が緩み、寝心地が良くなったと多数報告が聞かれています。このように、枕は睡眠に重要な役割を果たしています。

では、枕の調整はどこに注意したら良いでしょうか?調整の3つのポイントをお伝えします。1つ目に仰向け寝と横向き寝の両方に適合する枕の高さを設定することです。2つ目に決定した高さが終始使用中に5mm以上変化しない適度な硬さである事です。3つ目に体格変化や加齢に伴い適宜再調整を行う事です。皆様も普段使用している枕が自分の身体に合っているか確認・調整し、快適な睡眠を手に入れましょう。

リハビリテーション科 理学療法士 橋本 健太郎

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