東名厚木病院

神奈川県がん診療連携指定病院

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コラム

がん患者さんの「アピアランスケア」って何?

がん治療とくらし

2025年10月28日

アピアランスケアとは、「外見の変化に寄り添うサポート」のことをいいます。がんの治療や病気の影響によって、髪の毛が抜けたり、肌や爪の状態が変化したりと、外見に変化があらわれることがあります。こうした変化は、日常生活のしづらさだけでなく、気持ちにも大きな影響を与えることがあります。  

アピアランスケアは、そのような外見の変化にともなう不安やストレスをやわらげ、自分らしさを取り戻すためのサポートです。たとえば、ウィッグや帽子の選び方や使い方、眉毛やまつ毛が抜けたときのメイク方法、肌や爪のケアなどを一緒に考え、患者さんが少しでも安心して過ごせるようにお手伝いします。

「人前に出るのが不安」「どんなウィッグを選べばよいかわからない」といった悩みを抱える方も少なくありません。私たちは外見のケアを通して、患者さんが「前向きに過ごす力」を支えています

近年では、ウィッグの購入や乳がん手術後の補整下着などについて、一部の自治体で助成制度が利用できるようになってきました。ただし、すべての自治体で実施されているわけではありませんので、事前に確認が必要です。

外見に関する悩みは、自信の喪失や精神的な負担にもつながることがあります。がん治療は長期にわたることが多く、経済的・精神的な負担から、治療の継続をあきらめてしまう方もいます。私たちは、そうした状況を少しでも減らすために、多職種が連携しながらアピアランスケアを行っています。外見の変化は、予防ケアや適切な方法で改善できることもあります

「どうしたらよいかわからない」「誰に相談すればいいのか迷っている」という方は、ひとりで悩まず、がん相談支援センターや化学療法センターに遠慮なくご相談ください。私たちが一緒に考え、安心して治療を続けられるようお手伝いします。

 

回答者 がん総合外来/化学療法センター がん薬物療法看護認定看護師 大槻 まゆみ

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