乳がんのキホン
10月は乳がんの正しい知識を広め、早期発見・早期治療の重要性を伝える「ピンクリボン月間」です。そこで、乳腺外科 鎌田医師より「乳がん」についてうかがいました。
1.乳がんってどんな病気?
乳がんは、乳房にある乳腺組織にできる悪性腫瘍です。女性のがんの中で最も罹患率が高いがんとされています。乳がんの代表的な症状は、乳房の「しこり」です。自分で触って気づくことも多くあります。他にも、乳房のへこみやひきつれ、乳頭からの血の混じった分泌物、左右の乳房の形が非対称になることで気が付くこともあります。
2.早期発見のためには検診が大事!
乳がんは早期発見・早期治療によって治癒率が高いため、定期的な乳がん検診が重要です。40歳を過ぎたら、2年に1回のマンモグラフィ検査が推奨されています。また、日頃から自分で乳房をチェックする「ブレスト・アウェアネス」も大切です。
3.もし乳がんと診断されたら
乳がんの治療は、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせて行われます。特に最近は、薬物療法が著しく進歩しています。症例によっては、抗がん剤や分子標的薬を必要とすることもありますが、それらの薬のおかげで再発する人もかなり少なくなりました。
手術による治療も進歩しています。下記グラフのように乳がんの切除術式は、時代とともに変化してきました。2010年頃は乳房部分切除が主流でしたが、2020年頃から、部分切除よりも全摘する人が増えてきました。これは、全摘して再建手術をする人が増えたのが理由の一つです。乳房再建手術の詳細は、形成外科の高梨医師が紹介します。
参考:福田護, 乳癌手術における根治性と整容性の変遷: Oncoplastic Breast Surgery4, 79-83, 2019 乳癌学会の調査と福田護先生の論文のグラフを参考に著者作成
乳腺外科 鎌田 順道
日本外科学会認定 外科専門医・指導医/日本乳癌学会認定 乳腺専門医/オンコプラスティックサージェリー学会認定 乳房再建実施医師・責任医師/日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医 他






