東名厚木病院

神奈川県がん診療連携指定病院

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コラム

本当はコワい肺炎

季節も変わり寒い日が続いております。季節の変化に伴い「かぜ」をひいてしまった方も多いのではないでしょうか。「かぜ」の主な症状はせき・のどの痛み・鼻水であり、上気道のウイルス感染が原因です。しかし、特定のウイルス感染後に細菌感染による「肺炎」を生じやすい事が近年判明してきました。今回は「肺炎」の疫学、症状、治療、予防について解説していきます。

 

1.肺炎の疫学・症状

令和5年の人口動態統計によると「肺炎」は死亡率5位の疾患であり、後述の誤嚥性肺炎などを含めた呼吸器系の疾患による死亡率は約12%にも及びます。特に65歳以上においては、肺炎・誤嚥性肺炎による死亡率が高くなっております(図)。

 

図. 肺炎と誤嚥性肺炎の年齢階級別死亡率(2021年, 日本) ※成人肺炎診療ガイドライン2024 抜粋

 

「肺炎」の症状は数日続く発熱に加え、多量のたんや息苦しさを伴う場合もあり、肺組織の炎症が原因です。発熱が数日続く・痰に色がついた・息苦しさの悪化を認める場合は、医療機関の受診を推奨しております。

 

2.肺炎の治療・予防

「肺炎」は原因となる菌・ウイルスにより治療法が異なります。インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの「ウイルス性肺炎」には抗ウイルス薬を、肺炎球菌などの「細菌性肺炎」には感受性に合わせた抗菌薬を使用します。近年では、インフルエンザウイルス感染症後の肺炎球菌やレンサ球菌感染症の報告が増えております。解熱後、数日経ってからの再発熱が続く場合は、早めの医療機関受診をお願いします。

「肺炎」は飛沫や接触による感染がほとんどです。そのため、咳エチケットや手洗い・うがいなどの基本的予防策が大切となります。また、頻度が高い感染症に対しては、ワクチンの接種が可能となっております。定期接種には、65歳時の肺炎球菌ワクチン・65歳以上で年1回の季節性インフルエンザ・新型コロナワクチンがあります。任意接種には、2024年から60歳以上の成人に対してRSウイルスワクチンが接種可能となっております。

 

3.おわりに

2040年には65歳以上の割合は総人口の約35%に達すると推計されている中、65歳以上の肺炎・誤嚥性肺炎による死亡率は年々上昇しております。健康的な生活を謳歌するためには、今後ますます「肺炎予防」が大切になってきます。一人一人の細かな配慮・対策が必要です。呼吸器科は月曜を除き、毎日外来診療をしています。皆様の健康の一助となれますよう私達も努力していきますので、いつでもご相談ください。

 

東名厚木病院 呼吸器外科 三浦 隼

日本外科学会認定 外科専門医/日本呼吸器外科学会認定 呼吸器外科専門医

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